日本各地に様々な伝説が残る小野小町ですが、米沢にも小野小町が開湯したと伝えられる小野川温泉をはじめとして、多くの伝説や史跡が残っています。
小野川温泉は、父の行方を訪ねて京都から東北へ旅をしていた小町が病で倒れた際に、薬師のお告げで発見した温泉だといわれています。
この周辺には、疲れた小町が休んだとされる休み石や、お告げに現れた薬師を祀ったとされる薬師堂などがあります。
その後の小町は回復して再び秋田へ向けて旅立ったともこの地で亡くなったともいわれ、少し離れた市内には小町の墓とされる「美女塚」と、小町を慕い追ってきた深草少将の墓とされる「美男塚」があります。
尼湯
この場所で小町は温泉を発見したといわれています。現在は共同浴場として整備され、県内外の方が訪れています。
開山開湯の碑・小町居所跡
美女塚・美男塚
深草少将は小町を慕い京都から米沢へ後を追ってきたものの、小町はすでに亡くなっていて、会うことは叶わなかったといいます。その後少将は米沢に留まって商人となり、最期に「小町の墓(美女塚)の近くに埋めてほしい」と遺言したといいます。
向かい合わせで建つ美女塚と美男塚。この塚が残る塩井地区には、昔から「2つの塚をさえぎるようなものを建ててはいけない。もし建てればたたりがある」という言い伝えがあり、現在でもそれは守られています。