加賀百万石の前田利家の甥にあたります。文武両道に優れ、直江兼続との親交により上杉景勝の家臣となり、米沢の堂森に居を構えました。全国の諸大名などとの逸話や奇行は数えきれず、今に伝えられています。
前田慶次供養塔(堂森善光寺内)
米沢市万世町堂森にある松心山善光寺は、真言宗豊山派の寺院で出羽善光寺とも呼ばれています。開基は大同2年(807年)とされ、また、長井時広が再建したとも伝えられています。
境内には「前田慶次供養塔」があり、毎年6月に供養祭が行われます。近くには慶次が晩年過ごした庵の跡や飲用水として使っていた「慶次清水」など、前田慶次ゆかりの地が点在しています。
慶次の力石(堂森善光寺内)

慶次清水
慶次の屋敷「無苦庵」の飲料水として掘られた清水です。約100m2の清水池は、現在も水が湧き続けており、農業用水として機能しています。傍らには水神様が祀られています。
宮坂考古館
宮坂考古館は、故・宮坂善助氏が一生涯をかけて収集した、米沢・置賜地方の貴重な資料・文化財約700点を収蔵・展示している博物館です。
館内には、直江兼続が長谷堂の合戦で着用したといわれる甲冑「浅葱糸威錆色塗切付札二枚胴具足(県指定文化財)」、上杉討伐で北上した徳川家康を迎え撃つため白川へ出陣した際に上杉景勝が着用したといわれる甲冑「浅葱糸威黒皺韋包板物二枚胴具足(県指定文化財)」、前田慶次郎が所用したといわれる甲冑「朱漆塗紫糸素懸威五枚胴具足南蛮笠式」などのほか、米沢藩に伝わる甲冑や火縄銃、槍など数々の上杉家に関する貴重な文化財が展示されています。